暴走を続けたワンマン経営者は、どのような結末を迎えるのか。過去の企業倒産事例や事業承継の現場を取材すると、極めて過酷な現実が浮き彫りになります。
最も深刻なのが「後継者不在による黒字倒産・廃業」です。すべての業務判断を自分1人で行ってきた結果、社内には判断力を持った幹部が誰一人育っておらず、社長自身の健康悪化や高齢化に伴って事業継続が不可能になります。帝国データバンクの事業承継に関する最新の追跡レポートでも、後継者難による倒産件数は高水準で推移しており、その背景にはトップダウンによる人材育成の失敗が色濃く影を落としています。
また、同族経営において私物化を進めた結果、親族内での骨肉の争いに発展し、メインバンクからの信用失墜や取引先からの契約解除を招いて破滅するケースも少なくありません。「自分がいなければ会社は回らない」と過信したワンマン社長が、皮肉にも「自分自身の手によって会社を終わらせる」という結末は、現代の日本ビジネス社会における構造的な悲劇と言えます。