吉本芸人の人間関係や楽屋の力学を決定づけているのが、養成所「NSC(吉本総合芸能学院)」の期別です。年齢や芸歴の年数にかかわらず、「NSCの期(または初舞台の時期)」が絶対的な先輩後輩の基準となります。
大阪校1期生(1982年開校)のダウンタウンを筆頭に、7期(雨上がり決死隊、名づけ親世代)、9期(ナインティナイン)、13期(ブラックマヨネーズ、次長課長)、22期(千鳥、南海キャンディーズ、ダイアン)、33期(霜降り明星、コロコロチキチキペッパーズ)など、各世代から時代を牽引するスーパースターが誕生してきました。東京校においても、NSC東京1期(品川庄司)から、5期(ピース、平成ノブシコブシ)、23期(令和ロマン)に至るまで、東西の期別が相互に照合され、現場の礼儀作法や上下関係が厳格に保たれています。
この強固な育成パイプラインの成果は、M-1グランプリの歴史に如実に現れています。歴代大会における吉本所属コンビの優勝率は群を抜いており、決勝進出枠の過半数を占め続ける年が珍しくありません。365日舞台に立ち、客席の反応をデータとしてネタに反映し続ける劇場システムこそが、賞レースにおける吉本勢の強烈なアドバンテージです。