生活費を渡さない夫の心理と違法性|経済的Dvから脱出する法的対処法

生活費を渡さない夫の心理と違法性|経済的Dvから脱出する法的対処法

生活費を渡さない夫の心理と違法性|経済的Dvから脱出する法的対処法の見逃せないポイントを一挙に解説しました。

法的な観点において、配偶者に生活費を渡さない行為はどう位置づけられるのでしょうか。日本の民法第752条は「夫婦は同居し、互いに協力し、扶助しなければならない」と定め、相互扶助の義務を明記しています。さらに重要なのが、判例法理によって確立されている「夫婦の生活保持義務」(民法第760条:婚姻費用の分担)です。

生活保持義務とは、「自分の生活水準を落としてでも、相手に自分と同等の生活を保持させる義務」を指します。いわゆる「余ったお金があれば分ける」という生活扶助義務(親族間の義務など)とは異なり、たとえ自身がパンを1枚しか持っていなければ、それを半分に割って分け与えなければならないほど強力な法的責任です。

したがって、夫が自分の趣味や遊興には潤沢に金を使いながら、妻や子どもに対して健康で文化的な生活を営むための十分な費用を支給しない行為は、明確な民法違反となります。これは家庭裁判所の実務において「悪意の遺棄」(民法第770条第1項2号)や、「婚姻を継続し難い重大な事由」(同項5号)に該当し、裁判上の正当な離婚理由として広く認められています。

内閣府男女共同参画局の調査や各地の配偶者暴力相談支援センターの現場データでも、経済的DVは身体的暴力(殴る・蹴る)や精神的暴力と並ぶ重大な人権侵害として定義されています。「生活費を渡さない」という行為は、外傷が残らないため周囲から見えにくいものの、被害者を餓死の危機や重度の適応障害に追い込む陰湿な暴力そのものです。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。