伝説のゲイ雑誌G-Mens休刊の真相と熊系カルチャーの現在地

伝説のゲイ雑誌G-Mens休刊の真相と熊系カルチャーの現在地

伝説のゲイ雑誌G-Mens休刊の真相と熊系カルチャーの現在地の注目ポイントを丁寧に掘り下げてご紹介します。

多くのファンに衝撃を与えたG-MENS休刊の真相を紐解くには、単なる成人誌の売上減という表層的な理由だけでなく、ゲイコミュニティにおけるメディアの機能的変遷を直視する必要があります。『G-MENS』は古川書房より1994年11月(1995年1月号)に創刊され、約20年にわたりシーンを牽引し続けましたが、2010年代前半に実質的な月刊誌としての定期刊行に終止符を打ちました。

休刊の背景には、主として3つの決定的要因が存在します。

第一に、出会いとコミュニティのデジタル移行です。かつてのゲイ雑誌において、巻末の「文通欄(サークル紹介やパートナー募集)」や全国の発展場・ゲイバーマップは、読者が自らのアイデンティティを確認し他者とつながるための命綱でした。しかし、2010年前後からPC向け出会いサイトに加え、位置情報連動型のマッチングアプリ(『9monsters』や『Grindr』など)が急速に浸透。雑誌を媒介とした情報探索の必然性が劇的に低下しました。

第二に、成人向けコンテンツのネット配信化と書店流通の縮小です。コンビニエンスストアや一般書店での成人指定誌の取り扱い規制が段階的に強化され、読者が「対面で紙雑誌を買う」というハードルが年々跳ね上がりました。出版元の古川書房を含む業界全体が、重い印刷コストと返本リスクを抱える紙媒体から、WEBや単行本レーベルへの再編を余儀なくされたのです。

第三に、エロティシズムの多様化と消費スタイルの分散です。かつては編集部が提示する「骨太な男らしさ」に読者が一丸となって熱狂していましたが、ネットの普及により個々人のフェティシズムはさらに細分化されました。結果として、雑誌というパッケージ全体を毎月定期購買する層が縮小し、役割を全うした形で休刊という決断が下されました。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。