シバリングは、医学的には骨格筋の微細かつ急速な不随意収縮によって熱産生を行う現象を指します。ヒトの体内では、間脳の視床下部にある体温調節中枢がサーモスタットのような役割を果たし、平熱を約36.5〜37.0℃前後に維持しています。
ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入すると、免疫細胞(マクロファージや白血球など)がサイトカイン(IL-1、IL-6、TNF-αなど)を放出します。この情報が体温調節中枢に届くと、体内環境を病原体の増殖に適さない高温にシフトさせるため、体温の「設定温度(セットポイント)」が急激に39℃や40℃へと引き上げられます。
この瞬間、実際の体内温度は平熱(36.5℃)のままであるにもかかわらず、脳内では「現在地が設定値より冷たすぎる」と誤認され、猛烈な寒気(悪寒)が生じます。体温を設定値まで急速に押し上げるため、脳は運動神経を介して全身の筋肉に激しい収縮命令を出し、安静時の約3倍から5倍もの熱エネルギーを一気に生み出します。これが、発熱初期に起こるシバリングの正体です。