過酷な現実とポップな世界観のギャップは、視聴者の心に強い違和感を残しました。その違和感はやがてネット掲示板やSNS上で「深読み」され、いくつかの有名な都市伝説へと形を変えていきました。
1. 「あいさつ坊や」にまつわる怖い説と霊障・呪い疑惑
主人公格である男の子「あいさつ坊や」と女の子「あいさつガール」。彼らの瞳孔が開いたような独特のデフォルメ表現や、常に笑顔を崩さない表情に対して、「感情を失った子供の霊」「すでに死後の世界にいる存在」といった不気味な噂が浮上しました。特に「あいさつ坊やが振り返るシーンで影がない」「CMの最後に全員が消えるのは成仏を表している」といった創作怪談が実しやかに語られましたが、これらはすべてアニメーションの単純化された作画表現に対する過剰なこじつけです。
2. 「さよなライオン」と「ありがとウサギ」の不吉な裏設定説
CMの終盤に登場する「さよなライオン」に対して、「サヨナラ=死や別れを暗示している」「最後に登場するのは、すべてが終わった後の世界を意味する」という終末論的な噂が囁かれました。また、ウサギやライオンなどの動物たちが人間と合体していくプロセスを「生贄の儀式」と結びつける悪趣味な解釈も一部で見られました。しかし、制作元の公式資料にあるコンセプトは極めて明快であり、「子供たちが楽しく挨拶の言葉を覚えられるように、言葉の語尾と動物の名前を組み合わせた言葉遊び(ダジャレ)」に過ぎません。
3. 存在しない?「ぽぽぽぽーん 幻のキャラ」と洗脳都市伝説
ネット上では「本編には登場しない11体目の仲間が存在する」「特定の時間帯にだけ血を流したキャラクターが出る」といった怪談が拡散しました。人間は極限状態において、パターン認識を誤作動させ、存在しない意味を見出してしまうアポフェニア(意味のない情報に規則性を見出す心理現象)に陥りやすくなります。連日の余震と原発事故報道によるストレスが、視聴者の視覚認識や記憶を歪ませた典型例といえます。