ネット上の掲示板やSNSでは、「女子ツアーは賞金総額が高騰しているから、プロになれば誰もが裕福になれる」「米ツアーに行くと国内ファンが見られる試合が激減する」といった極端な意見が見受けられます。しかし、ツアーの構造的な実態にはいくつか知っておくべき現実があります。
第一に、女子ゴルフ賞金ランキング上位の一握りのトップ選手が数億円規模の年間獲得賞金やスポンサー契約を手にする一方で、シード権を持たない選手やステップ・アップ・ツアーを主戦場とするプロは、遠征費・キャディフィー・コーチ料などの年間諸経費(約800万〜1,200万円)を賄うだけで極めて厳しい台所事情に直面しています。華やかな表舞台の裏には、生き残りをかけた壮絶な経済的リアリティが存在します。
第二に、米女子ゴルフLPGAツアー日程と国内ツアーの重複問題です。近年、日本の若手トッププロが米LPGAツアーのQシリーズ(予選会)を突破して海外へ積極挑戦するケースが定着しました。これにより「国内ツアーのスター選手が不在になる」と懸念される声もありますが、実際には海外メジャー(シェブロン選手権、全米女子オープン、全米女子プロ、エビアン選手権、AIG女子オープン)の開催週に合わせて日本ツアーも戦略的なオープンウィークや共催イベントを設けており、日本勢の世界的活躍が国内女子ゴルフの人気を相乗効果で押し上げています。