「ハニカミ王子現象」がゴルフ場という閉ざされた空間をどう変貌させたのか。当時、現地でトーナメントを観戦していたギャラリーの声や、ボランティアスタッフの証言を検証すると、異様なまでの熱気と混乱が記録されています。
「普段の男子ツアーは年配の男性ファンが主流で、静寂のなかで拍手を送るのがマナーでした。しかし石川選手が出場した瞬間、平日の予選ラウンドから若い女性や家族連れが押し寄せ、入場者数は従来の3倍以上に膨れ上がりました。石川選手が動くたびに大名行列のように数千人のギャラリーが移動し、ロープ外の整理が追いつかないほどでした」(当時大会運営に携わったボランティアスタッフ)
また、当時のゴルフファンやネットコミュニティ(2ちゃんねる等の過去ログ検証)では、その技術に対する驚きと同時に、過熱報道への危惧がリアルタイムで交錯していました。
「15歳であのヘッドスピードとドライバーの飛距離は本物だ。スイングの完成度が高すぎる」という純粋な技術的賛辞が書き込まれる一方で、「まだ子どもなのに、テレビ局が消費し尽くして潰してしまうのではないか」「静かにゴルフをやらせてあげてほしい」といった、メディアの暴走を冷徹に見つめる声も少なくありませんでした。ファンの現場目線においても、彼の非凡な才能への熱狂と、過剰なスターシステムに対する危機感が同居していたことが実証されています。