高杉晋助の死因を正確に読み解くには、地球規模のエネルギー「アルタナ」の変異体である不老不死の存在・虚(うつろ)との関係性を紐解く必要があります。高杉の肉体は、物語の最終決戦以前からすでに通常の生を終えかけていました。
最終章「銀ノ魂篇」において、高杉は自らの命を顧みず、虚の心臓を刺し違えてでも討ち取る覚悟で行動を起こします。その過程で致命傷を負った高杉は、自らの身体に虚の不死の血を取り込むという極限の選択を下しました。アルタナの暴走する力によって心臓を無理やり動かし、自らの自我を保ちながら戦線を維持していたのです。
しかし、これは完治や不老不死を意味するものではなく、「魂をすり減らしながら自爆に向かう劇薬」による延命に過ぎませんでした。時間の経過とともに高杉の肉体は虚の意識に侵食され始め、自らの身体が虚そのものへと変貌しかけるという凄絶な内的葛藤に見舞われます。高杉が求めたのは自己の保身ではなく、恩師・吉田松陽の魂を救い、友である銀時とともに歩んだ誓いを果たすことでした。
最終決戦において、高杉は完全に虚に乗っ取られる寸前、自らの刀で自らの胸を刺し貫き、虚の野望を根底から打ち砕きます。アルタナの供給が絶たれ、すでに限界を超えていた肉体は急速に生命活動を停止へと向かわせました。高杉晋助の直接的な死因は、「虚の血による肉体崩壊と、自らを犠牲にして虚の復活を阻んだ致命傷」であり、文字通り世界と友のために命を使い切った戦死でした。