『天才てれびくん』の長い歴史の中で、卒業生に関する訃報が公に報じられ、関係者やファンに深い悲しみを与えた事例はただ1件のみ存在します。それが、2008年度から2010年度にかけて「てれび戦士」として絶大な人気を誇った伊藤元太(いとう げんた)さんの事故です。
伊藤元太さんは、明るく元気いっぱいのキャラクターで番組の看板企画「天てれサーカス部」などで大活躍しました。しかし、芸能活動を休止し大学進学に向けて歩みを進めていた2016年8月31日、東京都青梅市の多摩川で友人たちと水遊びをしていた最中に、深みに流される水難事故に遭遇。18歳という若さで帰らぬ人となりました。
この悲報は事故直後には公表されず、伊藤さんが19歳を迎えるはずだった2017年1月5日、有志団体「天てれサーカス部」の公式発信を通じて、ご両親の承諾のもとで広く伝えられました。ご両親は当時、次のような悲痛かつ温かい言葉を残されています。
「元太のために何かを残したいという仲間たちの想いに感謝します。元太が生きた証を、彼を愛してくれた多くの人たちと共有してほしい」
この痛ましい事故は当時、テレビや大手ニュースメディアでも大きく取り上げられました。しかし、事故から年月が経過するにつれて、「天てれ出身の若者が若くして亡くなった」という大枠の記憶だけが残り、「伊藤元太さん=男性」という基本情報が薄れ、「子どもの頃に見た誰か=女の子だったかもしれない」という記憶の変容(フォールス・メモリー)が起きたことが、現在の検索状況を生み出す決定打となっています。