これまでに蓄積された膨大なレビューデータと演出論に基づき、山崎貴監督の映画作品を最大限に楽しめる観客と、鑑賞にあたって慎重になるべき観客の明確な判定基準を提示します。
山崎貴作品を心からおすすめできる人
- 大画面・大音響で「映画館に来て良かった」と心底思えるカタルシスを求める人:破壊描写、戦闘シーン、パニック描写の緊迫感と音響設計は世界最高峰です。理屈抜きの興奮を味わいたい人にはこれ以上ない選択肢となります。
- ストレートな情動とヒューマニズムに涙したい人:照れや衒い(てらい)を捨て、登場人物が大切な人のために命を懸け、愛を叫ぶ熱いドラマに素直に感情移入できる人は、深い感動と心の浄化(カタルシス)を得られます。
- 日本の昭和史やノスタルジー、レトロフューチャーな世界観が好きな人:『ALWAYS 三丁目の夕日』や『アルキメデスの大戦』に見られる、綿密な時代考証と最新CGが融合した「あり得たかもしれない過去」の再現度は圧巻です。
鑑賞に際して慎重になるべき・合わない人
- 行間を読ませるミニマリズムや、静謐なアート系映画を好む人:台詞や劇伴音楽によって観客の心理を明快に牽引していくスタイルが多いため、説明を排した寡黙な映画美を重視する観客には演出が過剰に感じられるリスクがあります。
- 徹底したドライさやシニカルな人間描写を好む人:山崎監督の根底には「人間に対する根源的な肯定感」が流れています。冷徹な不条理劇や、救いのないダークな結末を期待すると、結末のヒューマニズムに違和感を覚える可能性があります。