ラウンドワン富士店は、富士市八代町の幹線道路沿いに位置し、長年にわたり地域の学生や社会人、週末のファミリーで賑わいを見せていました。しかし、2021年4月11日をもってその歴史に幕を下ろすこととなりました。
突然とも思えた営業終了の背景には、主に3つの複合的な要因が存在します。
第一に挙げられるのが、「定期建物賃貸借契約の満了と施設の経年劣化」です。アミューズメント施設の多くは15年〜20年スパンの定期借地・借家契約を結んでおり、更新時期を迎えるタイミングで大規模な改修投資を行うか、撤退するかの精査が行われます。富士店はオープンから年数が経過しており、耐震補強や最新アミューズメント機器導入に伴う設備更新コストの増大が課題となっていました。
第二の要因は、「運営元による事業構造改革とスクラップ&ビルドの加速」です。当時の決算説明会資料および業界統計データによると、同社は採算性や商圏人口のバランスを再評価し、一定の投資回収が見込める旗艦店や大型複合店舗への経営資源集中を進めていました。特に隣接する沼津市や静岡市に大規模店舗を展開している地理的関係から、店舗網の整理対象となった側面が強く指摘されています。
第三の要因として、「2020年から続いた感染症拡大に伴う夜間来客数の激減」があります。ボウリング場やカラオケルームは深夜営業や学生のグループ利用が収益の柱となっていましたが、相次ぐ時短要請や外出自粛によって売上が前年比40〜60%減へと落ち込む打撃を受けました。固定費の重いロードサイド型大型店舗の維持が困難になったことが、営業終了の決定打となったことは客観的事実と言えます。