課題設定の巧拙は、個人のスキル以上に組織の心理的安全性やコミュニケーション構造に左右されます。心理学における「防衛的悲観主義」や「認知的負荷理論」の視点から紐解くと、失敗を厳しく咎める減点主義の組織では、メンバーは「無難で簡単にクリアできる低い課題」しか設定しなくなります。これではイノベーションはおろか、組織の衰退を招きます。
優れた意思決定を行うための実践的な判断基準として、以下の条件をセルフチェックすることをおすすめします。
【課題設定が機能する組織・成果を出す人の条件】
・「問題」を個人への非難ではなく、組織の仕組みの欠陥(ファクト)として歓迎する文化がある。
・課題を設定する際、「何をやらないか(トレードオフ)」を明確に決めている。
・課題に対する責任者(オーナー)が1人に定まり、権限が付与されている。
【課題設定が形骸化する組織・慎重に見直すべき条件】
・会議で課題を口にした人が「じゃあお前がやれ」と余計な仕事を押し付けられる。
・課題の記述が「意識を高く持つ」「周知徹底を図る」など、精神論や曖昧な動詞で終わっている。
・現状(AS-IS)の痛みを直視せず、耳ざわりの良い理想像ばかりを語り合っている。