突然の怒りや万引きは病気?前頭側頭型認知症のサインと家族の備え

突然の怒りや万引きは病気?前頭側頭型認知症のサインと家族の備え

突然の怒りや万引きは病気?前頭側頭型認知症のサインと家族の備えに関する基本知識をわかりやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。

前頭側頭型認知症の初期において、最も周囲を戸惑わせるのが劇的な性格変化です。これまで温厚で気配りができていた人が、些細なことで激昂したり、他人の痛みに全く無関心になったりします。

この変化が生じる理由は、人間の理性、共感性、衝動の抑制を司る大脳の「前頭葉」および言語や記憶の意味を司る「側頭葉」が変性・萎縮するためです。病理学的には前頭側頭葉変性症という広範な疾患群に分類され、かつて「ピック病」と呼ばれていた病態もこの中に含まれます。

初期症状として目立つのは、以下のような脱抑制(ブレーキが効かなくなる状態)と自発性の低下です。

  • 反社会的・脱抑制行動:万引き、信号無視、人前での脱衣など、社会通念に反する行為を悪気なく行う。
  • 感情の平板化・共感の喪失:身内の不幸にも悲しまず、他者への思いやりが完全に失われたように見える。
  • 我が道を行く行動:周囲の状況を無視し、自分勝手な振る舞いを押し通す。

これらは「性格が歪んだ」のではなく、脳のブレーキ機能そのものが物理的に壊れてしまっている現象です。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。