ロト三部作を愛好するプレイヤーの間で、現在も熱い議論の対象となるのが「『ドラゴンクエストII』におけるロトのよろいの完全消失問題」です。
前作『DQ1』のエンディングから100年後の世界を描いた『DQ2』では、勇者の子孫たちによって「ロトのつるぎ」「ロトのたて」「ロトのかぶと」「ロトのしるし」が再発見・回収されます。しかし、防具の中で最も防御性能が高く、国の宝であったはずの「ロトのよろい」だけが、どこを探しても作中に一切登場しません。
なぜ鎧だけが受け継がれなかったのか?
作中のNPCの証言や歴史的背景を丹念に精査すると、いくつかの説証拠が浮かび上がります。
- アレフガルド王家の断絶と封印説: 前作の主人公(勇者)は、ラダトーム王ラルス16世からの王位継承の打診を断り、新たな国を築くためローラ姫と共に旅立ちました。その際、ロトのよろいはアレフガルドの守護神官やルビスの神殿に返還・奉納されたものの、のちに大神官ハーゴンの軍勢がルビスの信仰拠点を襲撃した際に封印、あるいは海中深くへと沈められたという仮説です。
- 材質「ブルーメタル」の経年劣化・融解説: 小説版や外伝資料において、ブルーメタルは神聖な魔力を帯びることで鋼鉄以上の硬度を誇るものの、百年の歳月や激しい戦闘の負荷によって魔力が抜け落ち、形状を維持できなくなったとする描写が存在します。
- ゲームデザイン上の必然性: システム面から見れば、『DQ2』の最強防具には「ガイアのよろい」や「みずのハゴロモ」が存在します。もし1歩歩くごとにHPが回復し、過酷なロンダルキアの雪原バリアを無効化するロトのよろいが初期〜中盤に存在してしまえば、『DQ2』最大のコンセプトである「パーティ制によるギリギリのリソース管理と危機的緊張感」が完全に崩壊してしまうため、意図的に除外されたと分析できます。
ロトのよろいが消失したからこそ、ローレシアの王子一行は「ロトのしるし」を頼りに精霊ルビスの加護を求め、極限の死闘へと身を投じることになったのです。