物語の原点である第1話「ROMANCE DAWN —冒険の夜明け—」のラストシーン。シャンクスから麦わら帽子を託され、小舟で海へと漕ぎ出した少年ルフィは、近海の主を一撃で沈めた後、見渡す限りの大海原に向かって叫びます。
連載開始当初、少年誌の主人公といえばどこか陰があったり、正義の味方としての葛藤を抱えたりするタイプが少なくありませんでした。そうした時代状況において、一切の迷いなく自らの野望を肯定するルフィのセリフは、読者に強烈なセンセーションを与えました。
さらに、このセリフを日本中、そして世界の共通言語へと押し上げたのが、アニメ版でルフィ役を演じ続ける声優・田中真弓氏の存在です。田中氏は過去の対談や特番インタビューにおいて、「海賊王におれはなる」というセリフを収録する際、ただ力任せに叫ぶのではなく、「すでになっている未来を確信して、当たり前の事実として口からこぼれ落ちるような強さ」を意識していると語っています。弱音を吐かず、疑いを持たない無垢な確信。この演技プランがあったからこそ、四半世紀にわたって毎週ファンの胸を震わせ続ける象徴的フレーズとなりました。