「072市外局番からの電話に出てみたら無言ですぐに切れた」「ガイダンスが流れて電気料金の削減プランをまくしたてられた」――SNSや電話番号検索掲示板には、連日このようなネットの反応と口コミが数多く書き込まれています。実際、迷惑電話の見分け方を理解していないユーザーが、心理的な動揺から被害に巻き込まれる構図が散見されます。
こうした不審なコールの正体は、主に以下の3形態に集約されます。
第1に、機械が手当たり次第に番号を生成して架電する「プレディクティブダイヤラー(自動架電システム)」による稼働確認です。相手側は通話そのものを求めているのではなく、コール音に対して人間が応答したか、あるいは呼び出し音が正常に鳴るかを確認しています。これによって「実在するアクティブな携帯電話番号」と判定され、裏市場の名簿リストへ高値で転売される仕組みです。
第2に、自動音声を悪用したアンケート偽装型の世論調査や電力切り替えの勧誘です。「電力自由化に伴う検針票の確認」などと称し、キーパッド操作で番号を押させようとする手口が横行しています。プッシュ入力を進めると、最終的に高額な蓄電池の押し売りや、個人情報を狙うアポイント部隊へ接続されます。
第3に、警察官や総務省職員を騙る特殊詐欺の初期コンタクトです。「あなたの名義の口座が犯罪に利用されている」と危機感を煽り、捜査協力を名目にして指定口座への資金移動やインターネットバンキングの暗証番号入力を指示する手口が確認されています。表示される市外局番が正規の地域番号であっても、発信元を偽装するスプーフィング技術が悪用されているケースがあるため、表示番号だけを盲信するのは危険です。