中島みゆき『麦の唄』歌詞の真意とは?マッサン主題歌に秘めた涙の理由

中島みゆき『麦の唄』歌詞の真意とは?マッサン主題歌に秘めた涙の理由

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NHK朝の連続テレビ小説の記念すべき第91作となった『マッサン』は、朝ドラ史上初となる外国人ヒロイン(シャーロット・ケイト・フォックス)の起用という前例のない挑戦でした。本物の国産ウイスキー造りに魂を捧げた竹鶴政孝(劇中では亀山政春/玉山鉄二)と、彼を信じて遠い異国に骨を埋める覚悟で来日した妻リタ(劇中では亀山エリー)の夫婦愛を描くにあたり、NHK制作陣が白羽の矢を立てたのが中島みゆきでした。

当時の制作関係者が明かしたエピソードによると、NHKからの主題歌制作の熱烈なオファーに対し、中島みゆき本人は「本当に私でいいんですか? 朝ドラですよ、NHKさん?」と驚きを交えて問い返したといいます。夜の情念や孤独、哀哀とした人間の業を歌わせたら右に出る者はいない中島みゆきにとって、爽やかな朝の顔を務めることへの率直な戸惑いがあったと伝えられています。

しかし、ドラマの骨子である「言葉も文化も通じない異国へ単身嫁ぎ、夫の夢を支え抜いた女性の物語」に触れた瞬間、彼女の創作意欲に火がつきました。完成した楽曲は2014年10月29日にシングルとして発売され、同年11月12日にリリースされた通算40枚目のオリジナルアルバム『問題集』にも堂々収録されることになります。暗雲立ち込める時代にあっても大地に根を張る、中島みゆきにしか紡げない骨太な応援歌の誕生でした。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。