2009年に4人の幼子を連れてハワイ・オアフ島へと移住してから十数年。常夏の島でシングルマザーとして奮闘してきた花田美恵子ですが、現在は生活の基盤を完全に東京へと戻しています。多くのメディアで「なぜ慣れ親しんだハワイを離れたのか」とその帰国理由が憶測を呼びましたが、その背景には極めて現実的かつ前向きな決断がありました。
最も決定的な要因となったのは、4人の子供全員が自立・就職を果たしたことです。長男の社会人スタートに続き、娘たちも学業を終えてそれぞれの道を歩み始めたことで、長年背負い続けてきた「子育てのための住環境」という枠組みが自然と外れました。移住当初は「日本での過熱取材から子供たちを守る」「伸び伸びとした教育環境を与える」という明確な防衛策としてのハワイ生活でしたが、子どもたちが巣立ったことで、彼女自身が「自分自身の人生」を選択できるステージへと移行したのです。
加えて、近年のハワイにおける急激な物価高騰や円安の影響、そして日本国内での仕事の広がりも後押ししました。自著やライフスタイル誌の取材において彼女は「子どもたちの成長とともに、母親としての私のミッションは一区切りついた。これからは自分のルーツである日本で、無理のないペースで生きていきたい」と述懐しています。かつての逃避行にも似た出国とは対照的に、今回の帰国は自らの意思で選び取った「精神的凱旋」といえます。