大学受験を目指す高校生や保護者から最も多く寄せられる相談の一つが、「とりあえず日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学)あたりには入っておきたいが、偏差値50くらいで合格できるのか」という問いです。
予備校大手の河合塾が公表する「全統模試」のボーダーラインデータを検証すると、日東駒専の主要学部(法、経済、文、経営など)の偏差値はおおむね47.5〜55.0のレンジに集中しています。近年、志願者数を伸ばしている東洋大学の看板学部や、日本大学の人気系統では偏差値52.5〜55.0に達する学科も珍しくありません。関西の中堅私立大学群である「産近甲龍(京都産業大学・近畿大学・甲南大学・龍谷大学)」もほぼ同等の難易度です。
ここで見落としてはならないのが、利用する模試による「偏差値の乖離」です。全国の幅広い層が受験する河合塾の全統模試で偏差値50の大学は、難関国立や早慶志望者がこぞって受ける駿台全国模試で換算すると偏差値40〜43程度にまで下落します。一方で、ベネッセ・駿台共催の進研模試(全国の一般的な公立高校が学校単位で受検する模試)では、同じ大学が偏差値57〜60と判定されます。模試の主催者によって母集団の学力層が異なるため、「どの模試で偏差値50なのか」を把握しなければ、正確な実力測定は不可能です。
また、共通テストで偏差値50を達成するための得点率の目安は概ね6割(58〜62%)前後とされています。国公立大学志望者の場合、共通テストで6割を安定して確保できれば、地方国公立大学(富山大、愛媛大、琉球大など)の中堅学部への出願が視野に入ってきます。「教科書の基礎事項をすべて網羅し、標準的な典型問題をミスなく解き切る」という確実な処理能力がなければ、この6割の壁を突破することはできません。