大手相談サイトの「Yahoo!知恵袋」やSNS上の投稿を検証すると、「感動映画で号泣しただけなのに、翌朝まで頭が割れそうに痛い」「目の奥をスプーンで抉られるような鈍痛が消えない」といった切実な叫びが年間数万件規模で寄せられている。多くの人が単なる目の腫れ以上に、付随して生じるズキズキとした痛みに苦悶している実態が浮き彫りとなっている。
この泣きすぎ頭痛の対処法を考察する上で知っておくべきは、この頭痛が「筋緊張性」と「血管拡張性」のハイブリッド型である点だ。泣き叫ぶことによる首や肩、後頭部の筋肉の過度な収縮(筋緊張)に加え、感情の揺らぎに伴う脳血管の急激な弛緩(片頭痛のメカニズム)が重複して発生する。この痛みを緩和するには、首筋の後ろを冷やすのではなく常温に保ちつつ、こめかみや目の奥の熱感部位のみをピンポイントで冷やすのが合理的だ。我慢できない拍動性の頭痛に対しては、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を早めに服用することが、痛みの神経回路の固定化を防ぐ有効策となる。
また、真っ赤に血走った目元を人前に出る前に何とかしたいという焦りから、薬局へ駆け込むユーザーも多い。店頭で購入できる目の充血即効目薬には、塩酸テトラヒドロゾリンなどの血管収縮剤が含まれている製品が多々存在する。これらは点眼からわずか数分で白目をクリアにする劇的な即効性を持つが、あくまで一時的な対症療法に過ぎない。血管収縮剤の作用が切れた後、反動で毛細血管が以前より太く拡張する「リバウンド充血」を引き起こすリスクがあるため、会議や面接などの緊急時のみに限定し、常用を避けるのが眼科医共通の推奨である。