ここまで危険性や副作用に焦点を当ててきましたが、烏龍茶そのものが悪者というわけでは決してありません。茶葉を発酵させる過程でカテキン同士が結合して生まれる特有の成分「烏龍茶重合ポリフェノール(OTPP)」は、小腸からの脂肪吸収を抑え、血中の中性脂肪の上昇を緩やかにする優れた薬効を持っています。
問題は「水代わりに無限に飲むこと」にあり、量とタイミングさえ厳密にコントロールすれば、非常に頼もしい健康サポート飲料となります。
科学的・生化学的な観点から導き出される黄金ルールは、以下の3点です。
① 1日の総摂取量は「500ml〜最大1L」にとどめる
健康増進を目的とする場合でも、一般的なペットボトル1本(500ml〜600ml)程度が、カフェインやタンニンの過剰摂取を防ぎつつポリフェノールの恩恵を受けられる理想的なボーダーラインです。どんなに多くても1日1リットルを超えてはなりません。
② 空腹時のガブ飲みを厳禁とし、「油分の多い食事中・直後」に限定する
起床直後や空腹時に飲むのをやめ、中華料理や肉料理、揚げ物など脂っこい食事と一緒に、あるいは食後30分以内に飲むのが最も理にかなっています。胃酸過多の害を防ぎ、食事に含まれる脂質の分解・吸収抑制という本来のポテンシャルを最大限に引き出せます。
③ 水分補給のベースは「常温の水や麦茶」に分離する
日中の基礎的な水分補給(喉の渇きを潤す行為)には、カフェインもタンニンも含まない水や麦茶を割り当ててください。「喉が渇いたから烏龍茶」ではなく、「脂っこい食事を楽しんだから烏龍茶を一杯飲む」という、メリハリの利いた使い分けが肝要です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
体質やライフスタイルによって、烏龍茶との付き合い方は180度変わります。自身がどちらのカテゴリーに属しているかを客観的に見極める必要があります。
【烏龍茶を積極的に取り入れて良い人の条件】
- 肉料理や揚げ物、ラーメンなど外食中心の食生活で、脂質摂取過多を自覚している人
- 胃腸が基本的に丈夫で、コーヒーを飲んでも胸焼けや腹痛を起こさない体質の人
- 日常の水分補給として水や麦茶を確保した上で、食事のアクセントとして楽しめる人
【常飲を直ちに中止・慎重に付き合うべき人の条件】
- 慢性的な胃炎、胸焼け、逆流性食道炎の兆候がある人
- 健康診断で貧血やヘモグロビン濃度の低下を指摘されたことがある女性
- 過去に尿管結石を患った経験がある、または家族歴がある人
- 就寝前のカフェインで睡眠の質が落ちやすい、自律神経が過敏な人
- 妊娠中・授乳中の女性(胎児へのカフェイン移行および鉄分維持のため)