日本社会の金融リテラシーにおいて長年問題視されてきたのが、企業型DCにおける「デフォルト商品の放置問題」です。制度導入時に多くの人が「何を選べばいいか分からないから」と元本確保型を選択し、そのまま十数年にわたって見直さない現状維持バイアス(心理的硬直性)に縛られてきました。しかし、インフレによって現金の購買力が目減りする現在、リスクを取らないこと自体が「資産の目減りという確実なリスク」を引き受けることと同義になっています。
では、どのような基準で「DC外国株式インデックスL」の採否を決めるべきなのでしょうか。投資家の置かれた時間軸とリスク許容度から、客観的な判断基準を提示します。
「DC外国株式インデックスL」を主軸に選ぶべき人
- 20代〜40代の現役世代:退職(受給開始)までに10年以上の投資期間を確保できる人は、途中のいかなる暴落も積立効果(ドルコスト平均法)によって将来の利益に転換できます。資産配分の70%〜100%を本ファンドに充てる合理性があります。
- 外貨建て資産を保有していない人:給与や貯蓄がすべて日本円である場合、老後資金の一部を海外先進国の株式へ振り向けることで、将来の円安インフレに対する強力なヘッジ手段を確立できます。
- 短期的な資産の浮き沈みに一喜一憂しない人:評価額の月次チェックに振り回されず、長期的な複利効果を信じて放置できる規律を持てる人には最適な選択肢です。
慎重な配分検討、または一部利益確定を考えるべき人
- 受給開始まで5年を切った50代後半〜60代:運用期間の「出口」が目前に迫っている場合、直前で大暴落に見舞われると資産を回復させる時間が足りません。運用益が出ている部分を段階的に定期預金や債券型ファンドへスイッチングし、元本を固めていく防衛戦略が推奨されます。
- 元本割れの数字を見ると夜も眠れなくなる極度のリスク回避型:評価損益がマイナスになった際に精神的平穏を保てない場合、株式比率を30%〜50%程度に抑え、残りをバランス型や国内債券などに分散させてボラティリティを和らげる配慮が必要です。