排尿トラブルの中で最も警戒すべき事態が「尿閉(にょうへい)」です。尿閉の緊急性と対処法を正しく理解しておくことは、命を守る直結の知識となります。
尿閉とは、膀胱に尿が充満しているにもかかわらず、全く自力で体外へ出せなくなった状態です。下腹部がパンパンに膨らみ、激しい腹痛、冷や汗、血圧の急上昇が生じます。この状態に陥った場合、水分を多量に摂取したり、力任せに腹部を押したりする行為は絶対に避けてください。膀胱破裂や腎不全を誘発する極めて危険な行為です。対処法はただ一つ、直ちに泌尿器科や救命救急センターを受診し、尿道からカテーテルを挿入して溜まった尿を抜く処置(導尿)を受けることです。
尿が出にくい何科を受診すべきか?迷った時の判断フロー
「排尿の悩みはあるが、緊急事態ではない」という段階で多くの人が抱くのが、尿が出にくい何科を受診すべきかという迷いです。結論から言えば、性別や年齢を問わず第一選択は泌尿器科です。
女性の場合、「泌尿器科は男性が行く場所」という心理的抵抗から内科や婦人科を選びがちですが、尿流測定器や超音波による残尿測定装置といった専門設備は泌尿器科でなければ整っていません。最近では女性医師が担当する「女性泌尿器科」や「ウロギネコロジー外来(骨盤臓器脱専門外来)」を設置する医療機関も増えています。
以下に、専門医が推奨する泌尿器科の受診目安を提示します。1つでも当てはまる項目があれば、先延ばしにせず専門医の門を叩いてください。
- 排尿が終わるまでに普段の倍以上の時間がかかる。
- お腹にグッと力を入れないと尿が出ない、または途中で途切れる。
- 排尿直後にもかかわらず、まだ膀胱に半分ほど残っているような重苦しい感覚がある。
- 尿の線が極めて細くなり、足元に滴るようにしか落ちない。
- 夜間に排尿のために2回以上起きるようになり、日中の勢いも落ちている。
- 尿に肉眼で確認できる血が混じった、または排尿時に強い痛みを伴う。