甘いもののなかでも、「普段はそれほどでもないのに、生理前や生理中だけは無性にチョコレートが食べたくてたまらなくなる」という声は臨床現場でも頻繁に耳にします。この特異な渇望の背景には、生体内のマグネシウム不足が深く関与しています。
マグネシウムは体内の300種類以上の酵素反応に関わる必須ミネラルですが、生理前後は子宮収縮を制御するため、あるいはプロゲステロンの代謝過程で大量に消費されます。マグネシウムが欠乏すると子宮の筋肉が過剰に収縮して生理痛が増悪するだけでなく、イライラや神経過敏が加速します。カカオ豆は自然界でもトップクラスのマグネシウム含有量を誇る食材であるため、体は失われたミネラルを補給しようとして無意識にチョコレートを嗅ぎ分けているわけです。
問題は、コンビニやスーパーで手に入る一般的なミルクチョコレートの多くが、カカオよりも白砂糖や植物油脂を主成分としている点です。マグネシウムを補う目的で甘いミルクチョコを口に放り込むと、以下の悪循環に直結します。
精製糖が胃壁から急速に吸収され、血糖値急上昇とインスリン分泌の過剰なトリガーが引かれます。過剰分泌されたインスリンによって血糖値は急降下し、摂取前よりも低い血糖レベルまで叩き落とされます。その結果、わずか1時間足らずで「さっき食べたばかりなのに、もっと甘いものが欲しい」という猛烈なリバウンド過食を引き起こすのです。