「社会保険料が安くなるのはありがたいが、厚生年金保険料を下げるということは、将来もらえる老齢厚生年金の金額が減ってしまうのではないか」という懸念は、多くの共働き世帯が直面する疑問です。制度上、標準報酬月額が下がれば納付保険料が減るため、何もしなければ将来の受給額にマイナスの影響が生じます。
しかし、この制度的デメリットを完全に防ぎ、手取りアップの恩恵だけを享受するための制度が用意されています。それが「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書(いわゆる養育特例)」です。
養育特例を届け出ると、子どもが3歳になるまでの間、時短勤務などによって実際の標準報酬月額が下がった場合でも、将来の年金額を計算する際には「休業前の高い標準報酬月額」で納付したものとみなして計算してくれます。つまり、「毎月支払う保険料は下がった給与に合わせて安く抑えつつ、将来受け取る年金はフルタイム時代の高い水準をキープできる」という、労働者にとって一切のデメリットがない公的優遇措置です。
「育児休業等終了時報酬月額変更届」と「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」は、必ずワンセットで同時に会社へ提出してください。片方だけの提出では、家計防衛か将来の資産形成のどちらかを犠牲にすることになります。