彼女の作品の特徴は、ポップで可愛らしいメロディラインと、鋭く胸を刺すリリックのコントラストにある。好きだからこそ許せなかったこと。離れたくないのに離れざるを得なかった理由。主人公が抱く矛盾した感情が、日常の些細なモチーフを通じて描かれる。
特に圧巻なのは、感情が溢れ出すサビの展開だ。甘い思い出がゆっくりと溶け出し、後味として残る苦さに耐える姿。失恋の痛みをただ嘆くのではなく、その苦味さえも自分の一部として受け入れていこうとする主人公の強さと弱さが、繊細なボーカルパフォーマンスとともに響いてくる。誰しもが一度は経験したことのある「忘れられない恋」の記憶が、鮮烈に呼び起こされる瞬間だ。