青森県立三沢航空科学館の見どころを語るうえで外せないのが、歴史的価値と最先端技術が同居する展示ラインナップです。館内に足を踏み入れてまず目を奪われるのが、独創的な翼上エンジン配置で世界の小型ビジネスジェット市場を塗り替えたホンダジェット展示(技術実証機)です。航空力学の常識を覆した主翼上面エンジン配置(OTWEM)の実物を間近で観察できるスポットは国内でも極めて稀であり、航空技術者やファンの熱い視線を集めています。
さらに歴史的な重みを持つのが、1931年に三沢の淋代海岸(さぶしろかいがん)を飛び立ち、世界で初めて太平洋無着陸横断飛行に成功したミス・ビードル号の精巧な復元機展示です。単発プロペラ機で41時間余りをかけてアメリカ本土ワシントン州へ到達した当時の大冒険の記録は、青森と航空史の深いつながりを雄弁に物語っています。
加えて、戦後初の国産旅客機として日本の高度経済成長を空から支えたYS-11実機展示も見逃せません。実際に定期航空路を飛行していた機体の重厚な質感や計器類が並ぶ操縦席を間近に眺める体験は、世代を超えた感動を呼び起こします。
2026年のリニューアル情報として最も注目された「宇宙ゾーン」では、小惑星探査機「はやぶさ2」の実物大模型や、月面重力を疑似体験できる「ムーンウォーク」、宇宙ステーション(ISS)でのミッションをテーマにした体感型展示がズラリと並びます。単に眺めるだけでなく、物理や航空宇宙工学の基礎を身体全体で学べる仕掛けが館内随所に散りばめられています。