立川スターレーンが営業終了を余儀なくされた背景には、単なる一企業の経営判断にとどまらない、日本の昭和型大型アミューズメント施設が直面した構造的課題が存在します。関係者の証言や商業施設開発の統計データから浮かび上がる主な理由は、以下の3点に集約されます。
第1の要因は、建物の老朽化と耐震改修コストの壁です。1970年代のボウリングブーム期に建築された施設は、築年数の経過とともに大規模な修繕や空調・給排水設備の全面更新が不可欠となっていました。2013年に施行された改正耐震改修促進法をはじめとする安全基準の厳格化に伴い、補強工事には数億円規模の設備投資が見込まれるケースが多く、運営企業にとって重い財務負担としてのしかかりました。
第2の要因は、ボウリング競技人口の長期的な減少と娯楽の多様化です。公益財団法人日本生産性本部の『レジャー白書』によると、国内のボウリング参加人口は昭和の最盛期から大幅に縮小し、ゲーム料金収入だけでは広大な床面積の固定資産税や光熱費を賄うことが難しくなっていました。
第3の要因は、立川駅周辺の地価上昇と土地の有効活用需要です。中央線特快の停車駅であり多摩最大の商業ハブである立川駅至近の錦町エリアは、住宅・商業用地としての資産価値が年々高騰していました。運営会社にとっても、老朽化したハコモノを維持し続けるより、敷地を用地転換する経営判断が合理的となった側面は否定できません。