『けもなれ』の魅力を語る上で欠かせないのが、実力派キャスト陣による生々しくも愛おしい人間模様です。主要人物たちが織りなす関係性は、単純な善悪や敵味方では割り切れない深みを持っています。
晶の恋人・花井京谷(田中圭)は、優柔不断で心優しいがゆえに晶を追い詰めてしまう典型的な「優しい毒」の持ち主でした。元彼女の長門朱里(黒木華)を自宅マンションに何年も居候させ続け、晶との結婚に踏み切れない姿は視聴者の間で大激論を巻き起こしました。
しかし、引きこもり生活から一歩を踏み出し、晶の勤め先で派遣社員として働き始める朱里の成長ドラマも本作の見どころです。朱里と晶という「正反対の境遇にいた2人」が次第に心を通わせ、互いを認め合っていくプロセスは、多くの女性視聴者から強い共感を集めました。
さらに、BARのマスターであるタクラマカン斎藤(松尾貴史)や、無気力な新入社員・上野発(犬飼貴丈)、京谷の母・千春(田中美佐子)など、脇を固める登場人物の誰もが立体的なバックボーンを持ち、物語に豊かな陰影を与えています。