テレビ番組『IPPONグランプリ』は、写真を用いた回答を国民的カルチャーへと押し上げた。番組の大会チェアマンを務めてきた松本人志の鋭い視点とコメントは、お笑い表現における評価基準を根本から変えた。
中でもバカリズムが披露するフリップ芸や視点切り替えの構造は、まさに至高の芸術と言える。画像に描かれた背景の些細な小物にスポットを当てたり、視点を登場人物から第三者へ一瞬で移動させたりする手法は、お笑い・エンタメ業界全体に強烈なインパクトを与えた。
吉本興業をはじめとする大手プロダクションの若手芸人たちも、こうした第一線のプロが提示した構造を徹底的に研究している。一枚の静止画から誰も予想しなかった物語を紡ぎ出す技術は、現代のコメディにおける必須の素養となっている。