歴史の針を1970年代のカリフォルニア州サンタモニカ、通称「ドッグタウン」へと巻き戻そう。連日の干ばつによって住宅街のスイミングプールから水が消えたとき、地元の若いスケーターたちはそこに潜り込み、垂直の壁面を滑り降りるという革新的なスタイルを生み出した。その中心にいたのが伝説的チーム「Z-BOYS」である。
トニー・アルヴァの荒々しく力強いスタイルや、ステイシー・ペラルタの流麗なライディング。彼らの足元を支え、身を包んでいたのは、特別な高級衣料ではなく、ローカルのサーフショップで手に入る粗野なTシャツと膝上丈のショーツ、そしてタフなキャンバスシューズだった。この熱狂の空気感は映画『ロード・オブ・ドッグタウン』でも鮮烈に描かれ、近年ではNetflixなどのストリーミングサービスを通じて世界中の若者へ向けて再発信されている。