こうした高速化する社会に対するアンチテーゼとして、あえて「時間をかけること」をコンセプトにした新たな動きも芽生え始めている。効率性を完全に排し、スマホを預けて数時間じっくりと特定のテーマについて語り合うサロンや、顔を合わせずに文通や音声のみでじっくり時間をかけて交流を深めるコミュニティが、一部の若者の間でひそかなブームを呼んでいる。
速すぎるテンポに疲弊した人々が求めているのは、初速のスマートさではなく、時間をかけることでしか見えてこない人間味や不完全さの容認だ。
即断のカルチャーが一般化したからこそ、あえて「じっくりと向き合う時間」そのものがプレミアムな価値を持つという、逆転現象が起きつつある。