パイント(pint、記号表記:pt)は、ヤード・ポンド法における体積・液量の計量単位です。日常会話や飲食シーンで「1パイント」と一口に言っても、イギリス式(帝国単位 / Imperial Pint)とアメリカ式(米国慣用単位 / US Liquid Pint)の2種類が存在し、それぞれ定義されている容量が明確に異なります。
イギリスをはじめとする英連邦諸国で採用されているUKパイントは「568.261ml(約568ml)」です。一方、アメリカを中心に普及しているUSパイントは「473.176ml(約473ml)」となっています。両者の差は約95mlに達し、これは一般的な缶コーヒー(約185ml)の半分以上に相当する大きな違いです。
この乖離が生まれた歴史的背景には、19世紀の度量衡改革があります。大英帝国は1824年に「帝国度量衡法」を制定し、1パイントを「蒸留水20オンス分の体積(=20液量オンス)」と統一しました。これに対し、すでにイギリスから独立を果たしていたアメリカ合衆国は、独立以前の古いイギリスワインガロン(1パイント=16液量オンス)の定義をそのまま引き継ぎました。さらに、1液量オンス(fl oz)自体の定義もUK(約28.4ml)とUS(約29.6ml)で微妙に異なるため、結果として現在の大きな容量差が定着したのです。