スペック表には表れない「実際の使い勝手」はどうなのでしょうか。大手重機工事業者へのヒアリングや業界関係者のコミュニティ、オペレーターの生の声を精査すると、賞賛とともに大型ラフターならではの苦悩が浮き彫りになります。
肯定的な評価として圧倒的に多いのが、可変カウンタウェイト機構がもたらす後方小旋回と安定性の両立です。タダノのSmart Counterweightのように、現場状況に応じてウェイト位置を前方・後方へスライドできる機能は、「背後に障害物がある狭い道路やプラント内でも、ウェイトを前側に維持したまま高い吊り能力を発揮できる」と現場オペレーターから高い支持を得ています。また、従来のラフター特有のブーム伸縮時の急激なしなりが抑制され、長尺ブーム伸長時でも荷揺れの収束が極めて滑らかである点も作業の安心感につながっています。
一方で、手放しの絶賛ばかりではありません。現場から頻繁に指摘されるのが「4軸車特有の取り回しの重さとタイヤ摩耗の早さ」です。2軸や3軸の50t〜70tラフターに乗り慣れたオペレーターからは、「アプローチ角の制限が厳しく、勾配がきつい現場の乗り入れで腹を擦りそうになる」「交差点やタイトなクランクでの内輪差が予想以上に大きく、後方オーバーハングの振れ幅に神経をすり減らす」という本音が漏れます。
さらに、高機能化に伴う電装系・タッチパネル操作に対する戸惑いや、強風時の受風面積の大きさによる実質的な稼働停止リスクなど、巨大化・ハイテク化の恩恵の裏にある現場のプレッシャーは想像以上に根深いものがあります。