かつて日本中を震撼させた「ルフィ広域強盗・特殊詐欺事件」の主犯格らが収容されていたマニラ首都圏タギグ市のビクータン入管収容所。この施設は、本来であれば国外強制退去を待つ外国人を保護・収容するための場所である。しかし実態は、資金力を持つ犯罪幹部が職員を買収し、収容所内部からスマートフォンや通信機器を自由に操作できる「犯罪の司令部」と化していた。
彼らが司令塔として悪用したのが、秘匿性の高い暗号化通信アプリ「Telegram」だ。収容所の鉄格子の中から、何千キロも離れた日本の住宅街へ強盗指示を出し、実行役に強盗の手順や住人の襲撃方法までリアルタイムで指示を送っていた手口はあまりにも残忍だった。収容所の腐敗構造を打破すべく現地当局による大規模な家宅捜索と改革が実施されたが、一度構築された遠隔指示システムのノウハウは、形を変えて今も闇ルートに流布し続けている。