カミ商事と大王製紙の関係を理解する上で欠かせないのが、日本有数の「紙の街」として知られる愛媛県四国中央市(旧伊予三島市・川之江市)と、そこに君臨した創業家・井川家の存在です。
大王製紙は1943年、井川伊勢吉氏によって設立され、戦後の高度経済成長期を経て日本を代表する総合製紙メーカーへと飛躍しました。その急拡大を販売・流通の現場で一手に引き受けて支えたのが、1962年に伊勢吉氏の親族らによって立ち上げられたカミ商事です。
カミ商事は大王製紙の専属的な直系販売代理店として機能し、全国の問屋や小売店へ強力な営業網を築き上げました。当時の大王製紙は製造に特化し、カミ商事が販売と流通の実権を握るという二人三脚の体制を構築。両社の間には濃密な親族関係が存在し、カミ商事など創業家関連企業は大王製紙の大株主として、経営の根幹を掌握する持ち株会社の役割すら果たしていました。