免許証番号の11桁目には、「チェックディジット(検査数字)」と呼ばれる数学的なエラー検知システムが組み込まれています。これは、銀行口座番号やISBNコード、クレジットカード番号などにも採用されている仕組みであり、窓口での入力ミスや番号の改ざん・偽造を瞬時に発見するためのものです。
運転免許証のチェックディジットには、「モジュラス11(Modulus 11)」と呼ばれるアルゴリズムが採用されています。具体的な計算方法は以下のステップで実行されます。
- 重み付け(ウェイト)の掛け算:
1桁目から10桁目までの各数字に対し、所定の係数(ウェイト:5, 4, 3, 2, 7, 6, 5, 4, 3, 2)をそれぞれ掛け合わせます。 - 総和の算出:
掛け算して得られた10個の積をすべて足し合わせます。 - 11で割った余りを計算:
総和を「11」で割り、その「余り(剰余)」を求めます。 - 引き算でチェックディジットを決定:
「11 − 余り」を計算します。
※計算結果が「10」になった場合は「0」、「11」になった場合も「0」として処理されます。
仮に適当な数字を並べて免許証番号を偽造しようとしても、11桁目の数字がこの計算結果と1桁でも食い違えば、警察や金融機関のコンピュータシステムは即座に「無効な番号・偽造の疑い」としてエラーを吐き出します。日常で目にする身分証の裏側には、高度な情報工学の安全装置が張り巡らされているのです。