『文豪ストレイドッグス』の物語が佳境を迎えるムルソー刑務所編において、読者や視聴者の間で最大の議論を呼んだのが「中原中也の死亡説」でした。
世界を揺るがすテロ組織「天人五衰」の首魁・フョードル・ドストエフスキーの手によって、中也はブラム・ストーカーの異能に侵食され、自我を失った吸血鬼としてムルソーに送り込まれました。監獄内で太宰治と対峙し、フョードルの指示に従って太宰を追い詰める姿は、多くのファンに衝撃を与えました。
特に、太宰によってエレベーターの水没トラップに巻き込まれ、至近距離から頭部を撃たれる描写が描かれた際には、「中也は本当に死亡してしまったのか?」という悲鳴にも似た考察がネット上を埋め尽くしました。
しかし、この一連の劇的な展開には裏がありました。実際には、中也の吸血鬼化そのものが太宰とあらかじめ示し合わせた高度な潜入作戦だったのです。中也は最初から自我を保っており、異能力で銃弾の軌道をミリ単位で操ることで急所への直撃を偽装。フョードルの監視の目を欺くための完璧な演技を貫いていました。
原作漫画およびアニメの最新展開において、中也の完全な生存は明確に描かれており、ポートマフィアの幹部として再び強烈な存在感を放っています。絶体絶命の窮地にあっても太宰との阿吽の呼吸で敵を嵌めるその立ち回りは、まさに「双黒」の面目躍如と言えるでしょう。