漫画史に残る異作である本作は、映像化のプロセスにおいても常に実験的であり続けた。2013年に放送されたTVアニメ版では、実在のキャストが演じた映像をアニメーションにトレースする「全編ロトスコープ」という極めて異例の手法を採用。放送直後は視聴者の間で激しい賛否両論が巻き起こったが、現実と虚構の境界を揺らす圧倒的な生々しさは、時間の経過とともに伝説的なカルト作品として再評価されている。
さらに2019年に公開された実写映画である映画『惡の華』では、鬼才・井口昇が監督を務め、脚本に岡田麿里を迎えるという豪華な布陣が実現した。原作の持つドロドロとした青春の残り香を忠実に映像化しつつ、実写ならではの疾走感と情動を見事に融合。キャストが役に没入するあまり、極限状態の叫びや涙がカメラに収められたという撮影裏話は、今も映画ファンの間で深く語り継がれている。