心理学的な観点から見ると、人間は極度のストレスや緊張状態に直面した際、あえて日常的な行動(食べる、飲むなど)を継続することで心の安定を保とうとする傾向がある。これを「代償行動」と呼ぶ。当時の大臣も、突然の緊急報告によるプレッシャーから、無意識のうちに「目の前の食事を完食する」という日常に逃避した可能性がある。
だが、世間が求めたのは人間的な弱さへの理解ではなく、冷徹なまでのプロフェッショナリズムだった。危機管理のトップに立つ人間には、たとえ一口目のうなぎが口に入った瞬間であっても、それを吐き出してでも受話器を取る姿勢が求められる。そのギャップが、悲劇的なまでの批判の嵐を呼んだのだ。