巨大な質量を美しく見せる造形美の背景には、日本を代表する最高峰のクリエイター陣の存在がある。監修を務めた建築家の安藤忠雄氏と、元東京藝術大学学長で彫刻家の澄川喜一氏だ。両氏は伝統的な日本の美意識である「そり」や「むくり」をタワーの断面に取り入れた。正三角形の足元から頂部へ向かって徐々に円形へと変化する独特のフォルムは、見る角度によって表情を変えるしなやかな美しさを生み出している。
しかし、この造形は単なる美飾ではない。高度な構造工学が計算し尽くした結果の産物だ。特に心柱制振システムは、五重塔の防振機構から着想を得た画期的な技術である。直径8メートル、高さ375メートルにおよぶ鉄筋コンクリート造の心柱と、周囲の鉄骨タワー部をオイルダンパーで繋ぐことで、地震時の揺れを最大で50%低減させる。4万1千トンという質量そのものを揺れの吸収装置として機能させる構造設計の妙がここにある。