この世紀の発明を成し遂げた人物こそ、日清食品の創業者である安藤百福だ。彼の人生は波乱万丈そのものだった。事業の失敗、投獄、そして全財産の没収。普通なら立ち直れないほどの打撃を受けながらも、40代後半にして彼はまったく新しい食品製造業の領域へと踏み出した。
「遅すぎるということはない」。安藤百福が証明したのは、イノベーションに年齢は関係ないという事実だ。深夜まで小屋の灯りを消さず、鍋と向き合い続けた執念。チキン味にこだわったのも、「鶏スープなら世界中の誰もが宗教に関係なく安心して食べられる」という深い先見の明があったからにほかならない。