かつて本格的な印刷プロモーションといえば、凸版印刷のような大手企業に巨額の予算を投じられる大企業だけの特権だった。莫大な製版代とロット数の壁が、街の個人商店や中小企業の挑戦を阻んできた歴史がある。だが、その勢力図は完全に塗り替えられた。
直感的な操作でプロ品質のデザインを即座に作成できるCanvaの普及により、現場の熱量を持ったスタッフ自らがチラシの骨子を組めるようになった。さらに、小ロット・超低価格・短納期を実現したラクスルなどのネット印刷インフラが定着したことで、テストマーケティングの敷居は劇的に下がった。まずは300枚だけ異なる見出しで印刷し、反応が良いパターンだけに本予算を投じる。大企業が稟議書を回している間に、個人の飲食店や整体院が高速で仮説検証を回して地域シェアを奪い取る、痛快な下剋上が各地で起きている。