エンターテインメント業界においても、この美学の存在感は圧倒的だ。バーチャルYouTuber(VTuber)業界では、「地雷系」のビジュアルを持つライバーが登録者数トップクラスを維持しており、そのメンヘラ的キャラクターやファンとの深い(時に危うい)距離感が爆発的な支持を得ている。
また、地下アイドルシーンからメジャーアリーナを埋めるトップアイドルに至るまで、歌詞や楽曲のトーンに「重い愛」や「執着」「孤独」を取り入れる動きが定着した。80年代のアイドルが清純さを、90年代が自立を象徴していたとすれば、2026年代半ばのポップアイコンたちは「傷つきやすさと狂気」を抱えた等身大の姿でリスナーの心を掴んでいる。