「なぜ、無関係な人々が集まるスポーツクラブが標的となったのか」。ルネサンス佐世保事件の真相と馬込忠司の動機を巡っては、被疑者が死亡したことで全容解明が難航したものの、警察の捜査資料や押収物からその輪郭が浮かび上がっています。凶行へ至った背景には、深刻な被害妄想の悪化、自暴自棄の心理、そして身勝手な自己顕示欲が複雑に絡み合っていました。
ルネサンス佐世保事件の理由として判明した決定的な要素の一つに、現場となったスポーツクラブとの過去の因果関係があります。馬込は事件の数年前に同クラブの会員として登録していましたが、他の利用者とのトラブルや奇異な行動により退会処分を受けていました。この処分を逆恨みし、クラブに対して強い執着と敵意を抱き続けていた形跡が確認されています。
さらに、犠牲となった同級生の藤本さんに対しては、事件直前に執拗に連絡を取り「施設で会おう」と呼び出していました。自身の孤立した境遇と、家庭を持ち社会的に自立していた友人への歪んだ嫉妬や逆恨みが引き金になったとみられています。多額の消費者金融からの借金を抱え、生活が完全に破綻していた馬込は、自らの死を前提とした派手な復讐劇としてこの乱射を周到に計画したのです。