映画『キングダム』シリーズは、佐藤信介監督率いる制作陣による妥協なきキャスティングで知られています。その中でも屈指の難関とされたのが王翦のキャスティングでした。王翦は「勝てる戦以外は興味がない」と言い放ち、自らが王になる野心を持つと噂されるほど危険な香りを放つ知謀の将です。
公式発表資料や制作関係者の証言によると、王翦役に求められた必須条件は「仮面で顔の大半が隠れていても、立ち姿と声だけで歴戦の猛将を圧倒できるフィジカルと風格」でした。身長182cmを誇り、長年アクションとステージで鍛え上げられた吉川晃司の肉体美と低音ボイスは、まさに実写版王翦の具現化そのものだったといえます。
吉川晃司は『るろうに剣心』の鵜堂刃衛役などでも異彩を放ってきましたが、本作では感情を極限まで押し殺した「冷徹な知性」を表現。無言の佇まいだけで戦況を支配するオーラを放ち、キャスティングの正当性を証明しました。