熊野大花火大会が他の都市型花火大会と一線を画す理由は、七里御浜海岸と国指定名勝・世界遺産である鬼ヶ城という特殊な大自然のロケーションを舞台装置としてダイナミックに利用している点にあります。
最大の見どころは、プログラムの掉尾を飾る「鬼ヶ城大仕掛け(巌頭とどろき)」です。鬼ヶ城の切り立った岩場に大小さまざまな花火玉を直に仕掛け、一気に点火。扇状に広がる光の扇とともに、爆発音と衝撃波が背後の岩壁に反響し、地響きとなって観客の身体を芯から揺さぶります。現地を訪れた観客の手記やSNSのレビューでも「耳を塞いでいないと鼓膜が震える」「花火の音ではなく爆撃のような地響き」と驚嘆の声が寄せられます。
もう一つの代名詞が「三ツ石 海上自爆」および「海上自爆(二隻の船から点火した花火玉を次々と海中へ投げ込む演出)」です。全速力で疾走する2隻の船から海へと投げ込まれた玉が、水面上で半球状に大炸裂。水しぶきと閃光が七里御浜の漆黒の海を昼間のように照らし出す光景は、船頭の卓越した操縦技術と花火師の度胸が融合した職人技の極致と言えます。