多くの温泉旅館において、貸切風呂といえば追加料金や厳しい時間制限がつきものだ。しかし、ここにはそんな野暮な計算は存在しない。趣の異なる多彩な家族湯・貸切露天風呂が、宿泊客なら空いていれば何度でも自由に利用できるという規格外のシステムを貫いている。
檜の香りが鼻腔をくすぐる和風の湯舟から、阿蘇の巨石を大胆に配した野趣あふれる露天風呂まで、扉を開けるたびに新しい景観が広がる。阿蘇内牧のやわらかな天然温泉が肌を包み込み、湯上がりには驚くほどのしっとり感が残る。夜には満天の星を仰ぎ、早朝にはカルデラを渡る澄んだ空気を吸い込みながら湯に浸かる。この自由気ままな湯巡りこそ、日常の澱を洗い流す最高の贅沢といえる。