ファンに最も大きな衝撃を与えたのが、2019年公開の映画『HiGH&LOW THE WORST』における村山良樹の鬼邪高校卒業でした。留年を繰り返して定時制に居座り続けることが定番だった村山が、なぜあのタイミングでテッペンの座を降りたのか。そこには作品上の必然性と、山田裕貴本人の強い覚悟が存在していました。
作中において、村山は全日制の新たなリーダーである花岡楓士雄(演:川村壱馬)やライバルの轟洋介たちの成長を目の当たりにします。いつまでも自分が居座り続けることは、後輩たちの自立を阻み、自分自身も過去の栄光に縛られて前に進めなくなる――そう悟った村山は、自らの意思で次のステージへと踏み出す決意を固めました。
映画公開時、山田裕貴は自身のSNSで直筆の退学届けの画像とともに、「ありがとね」という魂のメッセージを投稿しました。鈴木貴之演じる古屋英人、一ノ瀬ワタル演じる関虎太郎という定時制の仲間たちとともに歩んだ4年間の軌跡にピリオドを打つ公式発表は、多くのファンに涙とともに受け止められました。
ネット上では一時「スケジュールの都合による降板ではないか」といった憶測も流れましたが、当時のインタビューや公式コメントによれば、村山良樹というキャラクターの物語を中途半端に延命させることなく、最も美しく完璧な形で完結させるための前向きかつ誠実な決断であったことが証明されています。